DSは昔フランス政府機関の公用車として
利用されていたのはご存じですか？

フランス第五共和国大統領シャルル・ド・ゴール。
彼は、DSを愛用していた一人であり、
多くの政治活動においてDSを利用したことで有名です。

ド・ゴール元大統領が現役のころ。
彼の政策に反対する過激な軍事組織
「OAS」が彼の暗殺を企てました。
1962年8月22日。
パリ郊外の路上で、ド・ゴール夫妻のDS19を
機関銃やサブマシンガンなどで襲撃しました。
弾丸はド・ゴール夫妻には当たらなかったものの、
リアガラスを砕き、ボディに穴を開け
片方の後輪をパンクさせました。
しかしDSはハイドロと呼ばれるサスペンションと
前輪駆動による安定性によって、
残る3輪で走行し続け、
速やかに現場を脱出しました。
ド・ゴール夫妻は無傷で、
OASの襲撃は失敗に終わったのです。
DSの無類なメカニズムが、
結果として国家元首を危機から救ったのです。
このエピソードは、
映画『ジャッカルの日』（1973年）
冒頭でリアルに再現されています。
冒頭では閣僚を迎えるため官邸の車回しに
漆黒のDSが並ぶ豪奢なシーンを見ることもできます。

機会があれば、ぜひご覧になってください。